私の本棚

出会った本の数だけ自分をアップグレード! 赤羽氏の「ACTION READING」を基にした 読書記録のブログ

『深夜特急1』沢木耕太郎(1986)

 沢木耕太郎さんとの出会いは、VISAカード会員に送られてくる月刊情報誌の「feel 感じる写真館」にて。今回深夜特急を読んで、まず最初に思った事は、沢木さん、好きが仕事になって、もう30年以上現役なんだ。すげー。でした。

 今回は1994年に出された文庫本を手に取りましたが、巻末にある対談の起こしが読み応えがあって面白い。そこで紹介されている沢木さんの”旅のスタイル”を忘れないようにメモしておきたいと思います。

 ”どこへ行くにも地図を持っていかないし、ガイドブックの類もほとんど読まない。
空港でも駅でも、到着したら街の中央にはどう行ったらいいのかを誰かに聞いて、そこに行く。そうすると何かが起きるじゃないですか。その’何か’に導かれるようにして泊まるところが決まってくる。そうすれば、あとは歩くこととバスに乗ることでだいたいの街の感じをつかむことはできるし、自由に動いていくことが可能になる。”

 いいな、いいな。ガイドブックを見ない旅。
トライしたことはあるけれど、一緒に行った友達の情報に頼る&知識不足で学びの機会が減ったという結果に終わった苦い経験から、下準備が大事なんだ!と、それ以降の旅ではガイドブックにどれだけ付箋を付けるかに命をかけていました。

でもねー。旅行が終わった後残る感情って、”付箋付けた所は一通り周れたな”とか、”買いたかったお土産は一通り買えたな”とかなのです。そこに違和感を抱いていたのも事実。
沢木さんの言葉を借りるなら、” 友人たちと1カ月ほどスペインを回ったことがあったんだけど、そのときの経験は、一行だね。「面白かったな」と。ただそれだけ。”

 そう!それですよ沢木さん!!

 そんな沢木さんでも、ざっくり旅のスケジュールを立てようと試みたそう。でも気づいたんだって、計画通りに動くくらいならこんな旅をする必要はないって。もう一切予定はたてまいって。26歳の彼が望んだのは、”中途半端な賢明さから出して、人のためにもならず、学問の進歩にも役立たず、真実をきわめることもなく、記録を作るためのものでもない、何の意味もなく、徹底した酔狂の側に身を委ねる旅”だそう。”真剣に酔狂なことをする旅”。ロックだね。

 この著の中にバッグの中身リストがあって、3冊の本を持っていたと記載があります。
・西南アジアに関する歴史書
・星座についての概要書
・中国詩人選集『李賀』
私だったら何を持っていくかな~

 

 家族が出来ると、安全な国・小奇麗なホテル・外国人観光客が多いエリアをメインで回る旅が多くなるけれど、公立の中央図書館を覗きに行ったり(英語圏ではない国の図書館で、英語の絵本がどれだけあるかでその国の英語教育の水準が少しわかってきます)、現地の人が利用する乗り物を積極的に利用したり(タクシーだけでは地図が全然頭に入ってこない!)と、沢木さんの旅スタイルに少しでも近づけるよう、私の旅もアップデートしていきたいと思います。